-
解剖・経路
視神経の解剖 – 4区分と血流の違いから読み解く局在診断の土台
「視神経は一本の神経」というイメージのままでは、AIONと圧迫性視神経症、外傷性視神経症、視神経鞘髄膜腫の見え方の違いが説明できません。実際の視神経は、眼内・眼窩内・管内・頭蓋内の4区分で、長さも血流支配も圧環境も大きく異なります。この差を先... -
手技・実務
瞳孔反射経路の解剖 – 求心路と遠心路、片眼照射でなぜ両眼が縮瞳するのか
片眼に光を当てただけなのに、なぜ両眼が縮瞳するのか。この問いにきちんと答えられるようになると、RAPD、Argyll-Robertson 瞳孔、Adie 瞳孔を同じ対光反射の地図の上で読めるようになり、Horner 症候群は交感神経経路として切り分けやすくなります。眼科... -
論文紹介
眼痛の原因は眼科が多数派、しかし神経の落とし穴は残る – 眼科/神経内科2施設データで頻度を整理した Bowen 2018
眼科外来で「目が痛い」を受けると、まず角膜・結膜・ドライアイを見ます。一方で、眼所見が乏しい眼痛には片頭痛、視神経炎(ON: optic neuritis)、三叉神経痛などが混ざる。診断の難しさは「どの程度の頻度で混ざるのか」が肌感覚になりやすい点です。 ... -
論文紹介
『ギザギザ』『暗点』『モヤ』を言語化する – 視覚性片頭痛前兆の症状レパートリーを整理した系統的レビュー Viana 2019
「片頭痛の前兆っぽい」と言われる視覚症状は、患者さんの語彙とこちらの問診の仕方で姿が変わります。「チカチカする」「見えない」「モヤがかかる」が同じ言葉でまとめられると、TIA、後頭葉てんかん、網膜・視神経疾患との切り分けも曖昧になります。 V... -
論文紹介
視力は保たれているのに「見にくい」 – DLBの視知覚障害を Devenyi 2024 で臨床の言葉に落とす
視力表ではそこそこ見えている。屈折や白内障だけでは説明しにくいのに、本人は「距離感が合わない」「物を取り損ねる」「周りがごちゃごちゃして見える」と訴える。このとき眼科が拾える鑑別のひとつが、DLB(dementia with Lewy bodies)の視知覚障害で... -
論文紹介
眼瞼けいれんは「目の病気」ではなくネットワークの機能異常 – Zhu 2023/2024 が整理した病態仮説
眼瞼けいれんは、眼科外来では「まばたきが多い」「眩しい」「目が開けにくい」から始まり、進行すると“機能的な視覚障害”に至ることがあります。一方で、眼表面だけで説明しきれない患者も少なくありません。本論文は、眼瞼けいれんを局所ジストニアとし... -
動画解説
1.5症候群を見たら橋背側を疑う – 麻痺性橋外斜視と8.5症候群まで(Andrew Lee 先生の動画)
「片側の水平注視がまったくできない、反対方向に動かすと外転だけ残って内転ができない」。この特徴的なパターンを見たとき、橋背側の病変をかなり強く疑えます。1.5症候群は名前は奇妙ですが、解剖を知ると整合的に読めます。今回は Andrew Lee 先生の動... -
動画解説
OPMD(眼咽頭型筋ジストロフィー)を眼科で見逃さない – Andrew Lee 先生の動画で学ぶ眼瞼下垂と嚥下障害
OPMD(眼咽頭型筋ジストロフィー)を眼科で見逃さない - Andrew Lee 先生の動画で学ぶ眼瞼下垂と嚥下障害 両側性で緩徐進行する眼瞼下垂を「加齢」「腱膜性」とだけ扱って手術計画に入る前に、もう一度立ち止まる価値がある疾患が OPMD(oculopharyngeal m... -
手技・実務
眼瞼診察をどう取るか – MRD1, levator function, Hering, lid lagの実務
眼瞼診察をどう取るか - MRD1, levator function, Hering, lid lagの実務 眼瞼所見は重要だと分かっていても、実際の外来では「なんとなく下がっている」「なんとなく開きすぎている」で終わりやすい領域です。原因は、知識不足というより、どの順で、どの... -
論文紹介
AION急性期のOCTでA-AIONを示唆する所見は何か – PAMMと乳頭周囲fluidを機序から読む Klefter 2024(AJO 2025)
前部虚血性視神経症(AION)は、急性期に「GCA関連のA-AION(arteritic AION)」か「NA-AION(nonarteritic AION)」かで、初動が大きく変わります。ただし初診時の乳頭所見は似てしまうことがあり、採血や血管評価の結果を待つ間に判断が難しくなる場面が...